コミュニケーション・ディベート in 早稲田大学3rd
昨年、一昨年に引き続き、11月18日(土)に早稲田大学にて、学習クラブ「コミュニケーション・ディベート」を開催しました。
(昨年の様子はこちら「コミュニケーション・ディベート」については、こちらのサンデー毎日増刊号の記事をご覧ください。)
参加者は、日出学園高校1,2年の生徒たちと卒業生、教員。そして、早稲田大学の卒業生と早稲田大学教育学部数学科教授の近藤庄一先生です。
今回のテーマは「中高生の視点から数学教育に物申す」。
参加者には、下の文書を前もって配布し、自分の意見を考えた上でディスカッションしました。
予定の2時間を越えるディスカッションで、生徒たちからは「近藤先生や他の参加者の意見を聞いて、自分の数学の学習意識に影響があった。貴重な機会だった。」「充実した時間で、まだまだ話したりない。」という感想。近藤先生からも「昨年からさらに話が進みましたね。」との感想をいただきました。
そして、近藤先生からは、さらに「またやりましょう」との話をいただきました。
お言葉に甘えて、「コミュニケーション・ディベート in 早稲田大学」第4弾を企画していきたいと思います。
今回も、近藤先生、卒業生のみなさん、ありがとうございました。
これからも、さまざまなテーマで「コミュニケーション・ディベート」していきます!
—以下配布文書—
コミュニケーション・ディベート in 早稲田大学3rd
★日 時 : 11月18日(土)15:00~17:00
★場 所 : 早稲田大学早稲田キャンパス 14号館717教室
★参加者: 早稲田大学 近藤庄一先生(早稲田大学教授) 基幹理工学研究科 大学院卒業生
日出学園 佐久間究 能見太一郎 コミュニケーション・ディベート受講者 及びOB・OG
テーマ:「中高生の視点から数学教育に物申す」
昨年は,「あえて日本の数学教育を批判しよう」というテーマで「ディベート」しました。世界的にみても数学嫌いを多く生み出している(?)中高の数学教育に対して,参加者がそれぞれ,あえて批判的に自分の意見を出し合い,私(佐久間)自身も意識を深めることができたと思っています。これを機に再び,昨年の感想を読み返してみましたが,興味深く刺激的であることにいまさらながら驚いています。(昨年の資料,感想を読みたい人は佐久間まで連絡ください。また、昨年の「ディベート」の様子を撮影した動画があります。ダイジェスト版を卒業生が編集してくれましたので、見たい人は google classroom で見てください。)
昨年の「ディベート」では,私にとって印象的な意見として,「数学は,考えることが重要なはずなのに,多くの公式を覚えることが必要で面倒だ」「数学は他の教科と違って,わからないことがあると,その先がすべてわからなくなってしまう」「数学の先生には当たりはずれが多い」といったものがありました。
それらに対して,近藤先生からは「数学のテストを『持ち込み可』にすれば良いのでは」といった提案があり,私は「数学の授業・学習をスモールステップにすれば良いのでは」と提案しました。(「数学の先生には当たりはずれが多い」については残念ながら,あまり突っ込んだ話まではできませんでした。)
さて今年は,まず昨年の「ディベート」をふまえて,私からいくつかの提案と質問をします。それを読んで,それに対する意見を前もって提出してください。
参加者全員から集まった意見を,再び参加者全員に配布します。それを読み,さらに考えて,当日の「ディベート」に臨んでください。
コミュケーション・ディベート in 早稲田大学3rd 準備資料①
ディベート日 2017/11/18
提案1 数学のテストを「持ち込み可」にする。
これは昨年近藤先生から提案されたことです。数学において,公式等を形式的に覚えることは,私もあまり意味のあることだとは思えません。
提案2 数学で全生徒が学習すべき内容を減らす。
先日,日出を辞めた建石先生からフィンランドの学校の話をお聞きしました。世界的に見ても,日本の数学教育で学習すべき内容は多く,難しいものです。日本の中高の数学教育の内容は,受験勉強や将来専門的に数学を使うことを前提としたものになっていると思います。教養として学ぶ数学としては,世界的に見てもっと内容を減らすべきだと思います。
提案3 数学の教科書の内容を「物語」と「シンプルな問題」にする。
上の事柄に関連して,私は現在の数学の教科書も受験を前提としたものになっており,そこに公式等の証明が付け加えられているに過ぎないと感じています。そこで,抽象的な言い方になってしまいますが,教科書の内容は,人間の営みとしての数学=「物語」の数学 として,そこに教養として学ぶべき数学の問題を,シンプルな作りで載せたものとすることを提案します。
提案4 数学の授業・学習にスモールステップを導入する。
数学の学習で一度つまずいた生徒が,数学のすべてがわからないと感じてしまうのを避けるためには,私はスモールステップを導入することを提案します。スモールステップは,上で書いたように教養で学ぶべき数学から,望む生徒には,将来専門的に使う数学へ段階的に学習していくことも可能にすると思います。