はじめに
人間とは何か?機械とは何か?人間と機械の今後の関係は?
このような疑問の答えを”探求”する、「情報Ⅰ」と「倫理」の学びを融合した学校設定科目「人間と機械(倫理)」を、日出学園では2023年度からスタートしました(以前は「倫理」として開講)。
本ブログでは、各授業で取り扱った内容を紹介していきます。1,2学期では次のように学びを深めてきました。
探求活動編
3学期は「探求活動」として、履修者全員が8分から12分以内の「倫理に関する授業」を実施しました。倫理の学習指導要領では「探究」ではなく、「探求」の字もよく使われています。以下のような意味の違いに基づき、あえて「探求活動」としています。
- 探求:「目標や目的を求めて探し求めること」に重点。実際の行動や目的を追い求める活動に使われる。
- 探究:「真理や本質を深く探ること」に重点。学問的・理論的なアプローチを重視し、知識や理解を深めるための活動に使われる。
テーマの一覧
生徒たちの選んでテーマはどれも魅力的で、「各種の思想を取り入れ、自分で新しく作ってみた宗教」に関する授業や、「自分の人生を振り返り、当時の苦しみ・悩みを再解釈する」授業など、探究学習がテーマとする「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題」に取り組む生徒も数多くいました。
また、単なる「発表」ではなく、「授業」としている為、持ち時間は前に出て話すだけではなく、映像視聴やディスカッション、実験等を含んで良いことにしていました(むしろ推奨)。
ディスカッションを取り入れた授業では、それぞれの議論も白熱しました。
ちなみに、授業内に一番多く出てきた哲学者は「カント」だった気がします。難解な思想ですが、自分たちのテーマに寄せて、大変わかりやすく説明してくれていました。
授業の最後には、「『変わらない真理』があるのではなく、『変わり続けることこそが真理(弁証法的発展)』」とするヘーゲルの思想を紹介しました。
「倫理」は担当者自身にとって、高校の頃の1番思い出深い科目です。当時楽しかった単元は心理学や神話でしたが、今になって仏教やヘーゲル思想の価値もわかるようになってきました。
授業はこれで締めくくりとなりますが、哲学的・倫理的探求の日々は生涯続いていきます。 この1年の学びが、生徒たちのこの先の人生の糧になることを願います。