オーストラリア姉妹校との国際交流

日出学園には、オーストラリアにセントポールズ・アングリカン・グラマースクール(St Paul’s Anglican Grammer School)という姉妹校があります。
一年ごとに40名ほどの中学生・高校生が本校を訪れ、日出学園の家庭にホームステイして日本の家庭生活や学校生活を体験します。
日出学園の生徒も、コミュニケーションを通して語学や異文化理解を深めています。
2009年度は姉妹校生の受け入れ、2010年からは、高校生の希望者を対象にしたオーストラリアホームステイを実施しています。

2016年度 オーストラリア研修旅行

2016年8月2日~16日、オーストラリア研修旅行を実施しました。4年生・5年生から希望者を募り、参加した生徒は25名。前半はメルボルン市内にホームステイし、ヴィクトリア大学付属語学学校で英語レッスンを受講。後半はワラグルにある姉妹校、セントポールズ・アングリカン・グラマースクールでホームステイを行いました。

事前学習:Home stay English 講座

7月21日から6日間、オーストラリア研修旅行の事前学習として「Home stay English 講座」を行いました。
 
普段から英語の文章を読んだり文法を学んだりするには慣れていても、自分の考えを英語で話すことには戸惑うことも多い様子。マーシャル先生とのやりとりも、初日はとても小さな声でした。
 
しかし、「ホームステイをしてみたい!」という気持ちを持って今回の研修旅行に参加を希望した生徒たちだけあって、講座への取り組みは非常に前向き。自分の中のボキャブラリーを駆使し、相手との対話を楽しむようになっていました。
 
講座の最後に、マーシャル先生から贈られたのはこんな言葉。
「オーストラリアに行ったら、積極的に話してみましょう。間違えたって大丈夫。向こうの人は優しいから、『こんなことを言いたいんだろうな。』って分かってくれるよ。だから、どんどん話しかけてみて。オーストラリアでどんなことがあったか、2学期に教えてくださいね。」
 
1日目:空港での会話
    海外でよく質問されること
 
2日目:Australian dollarについて
    買い物での会話①
 
3日目:買い物での会話②
    レストランでの注文
 
4日目:食事での会話
    オーストラリアの文化について①
 
5日目:趣味についての会話
    オーストラリアの文化について②
 
6日目:家での会話
    オーストラリアでよく耳にする単語
    家族の紹介

1日目(2016/08/02)

8月2日(火)19時、羽田空港にて出発前の結団式を行いました。生徒たちのご家族に加え、白水先生も見送りに来てくれました。今回が初の海外旅行となる人も多く、「行ってきます!」という声の中にはホームステイへの期待と不安が入り混じっていました。
22時発カンタス航空26便に乗り、いよいよオーストラリアに向かいます。

<1日目のスケジュール>
19:00 羽田空港集合・結団式
22:00 出発

2日目(2016/08/03)

8時30分(オーストラリアは日本との時差が1時間あるため、日本では7時30分頃)、無事シドニーに到着しました。10時間弱のフライトに、さすがの生徒たちも疲れた様子。入国手続きなどを行ったのち、国内線でメルボルンへと向かいました。南半球にあるオーストラリアは、現在真冬。到着時の気温も13度と、相当の冷え込みです。オーストラリアの地に降り立ってみると、当然のことながら英語がずらり。ドーナツ1つ購入するにも、「初めてのおつかいだ!」とはしゃいでいました。

バスに乗り込み、最初の目的地ヴィクトリア大学へ。日本では大学というと広大なキャンパスを思い浮かべますが、ヴィクトリア大学はメルボルン市内の中心地にあるビルの中にあります。17階から眼下に広がる景色はとても綺麗です。現地講師の先生は、「どんどん喋って、どんどん間違えて!そうしたら、笑いだって生まれるでしょう?勇気を持って話してみましょう」と言ってくださいました。

到着後、早速アクティビティが!ホームステイ先からの登校で使用する「FLINDERS Station」構内に入り、電車の乗り方などを教わります。駅舎の壮大さは、まるで日本の東京駅のようです。各自、登下校の道順を確認した後、迎えに来てくれたホームステイ先のご家族と一緒に下校をしました。

<2日目のスケジュール>
 8:30 シドニー着
11:30 空路にてシドニーからメルボルンへ
13:00 メルボルン着
14:30 ビクトリア大学着
      スタッフ紹介・アクティビティ① FLINDERS Station散策
16:30 ホームステイ先へ

3日目(2016/08/04)

一夜明け、ホームステイ先から生徒たちが登校してきました。昨日はどんな夜だったかを訪ねてみると、
「大盛りのスパゲティーを作ってくれました!」
「夕飯にお味噌汁を出してくれた。」
「昨日は外に食べに行きました。」
「一緒にスーパーに買い物に行ってきました。」
など、様々な返事が返ってきました。海外での初めての通学に戸惑った生徒も多かったですが、全員無事に学校にたどり着くことができ、先生たちもホッとしました。

この日から、英語レッスンがスタート。時折ジョークを混ぜながら快活に授業を展開する先生と、ニコニコと微笑みながら優しく語りかける先生。この日はまず、オリエンテーションとして英文での自己紹介とキャンパス内のツアーを実施。様々な国籍の方とすれ違う度、改めてこのオーストラリアが他民族国家であることを思い知らされました。
お昼はホームステイ先のご家族が用意してくれたお弁当でランチタイム。サンドイッチとフルーツという人が多かったです。中には、おやつとしてオーストラリアのお菓子を入れておいてくれたご家庭も。

午後は外に出てのアクティビティ。今日は市内を走る路面電車「トラム」に乗ってメルボルン市内を散策します。目的地は「State Library Victoria」。一瞬、美術館かと間違うほど美しい図書館です。この日は館内で声楽のコンサートも行われていて、日本の図書館では味わえない雰囲気を楽しむことができました。帰りは市内を徒歩で散策。下校前にコンピュータールームで語学レッスンを行い、3日目も無事終了しました。

<3日目のスケジュール>
 9:00 登校
 9:30 英語レッスン
11:30 ランチタイム
12:30 アクティビティ② Orientation To Melbourne
15:00 ILC
15:30 下校

4日目(2016/08/05)

今朝も9時にヴィクトリア大学に登校。昨日の様子を聞いてみると、ホームステイ先に帰る際、道に迷って大変だったという人達がいました。初日はホストファミリーが迎えに来てくれていたけれど、昨日は自分一人で家に帰らなければならなかったため、道順を思い出すのに一苦労だったとか。たまたま通り掛かった地元の人に帰り道を教えてもらった人もいたそうです。

午前中は2クラスに分かれての英語レッスン。今日はメルボルン市内にある「Queen Victoria Market」について学びます。1878年に創業したマーケットは、敷地面積が東京ドームの1.5倍。マーケット内には1000ものお店が並んでいます。先生たちからはオーストラリアの食べ物について、発音の違いなどに気をつけながら教えてもらいました。

授業後は「Queen Victoria Market」へ。昼食を挟みつつ、午後は課題に取り組みます。
先生方から渡された用紙には、現地の食材の名前や金額についての質問が並んでいます。生徒たちはチームに分かれ、マーケット内で答えを探します。時には店員さんに尋ねながら、どのチームも頑張っていました。課題の合格をもらった後は買い物の時間。日本では目にしたことのないお菓子を食べたり、お土産を探したり。南半球最大規模のマーケットを満喫してきました。

<4日目のスケジュール>
 9:00 登校
 9:30 英語レッスン
11:30 Queen Victoria Market
      昼食
13:00 アクティビティ③ Victoria Market Shopping
15:30 下校

5・6日目(2016/08/06-07)

オーストラリア研修5日目・6日目は週末のため、大学はお休み。ホストファミリーとお喋りしたり、外に出かけたりと様々な週末を過ごしていたようです。そこで、生徒の皆さんに以下の質問をしてみました。

 ①どんな週末を過ごしましたか?

 ②オーストラリアに来て、びっくりしたことは何ですか?

  1. ①動物園やショッピングに出かけました。
    ②セブンイレブンがたくさんあること。

  2. ①買い物をしたり、ホストファミリーのひ孫さんと一緒に公園に行って遊んだりしました。
    ②電車を降りる時にボタンを押すこと。便座が冷たいこと。

  3. ①可愛いお孫さんと遊んだり、買い物に行ったりしました。ホストファミリーと1日一緒にいられて楽しかったです。
    ②便座が冷たいこと。

  4. ①土曜日:ショッピングに行き、ホストファミリーとBBQをしました。
    日曜日:中華料理店で食事をし、水族館へ行き、コストコの観覧車に乗りました。
    ②日本にある店(セブンイレブン、SUBWAY、マクドナルド、KFC)が意外とあること。

  5. ①土曜日:午前中はのんびり過ごし、午後はカンガルーを見たりいろいろなマーケットに行ったりしました。
    日曜日:午前中はゆっくりして、午後はショッピングをしました。
    ②いろんな人種の人がいる。個包装のものが少ない。日本より大雑把なことが多い。1つ1つの物が大きい。

  6. ①土曜日:ヴィクトリアマーケットに行って、たくさんお土産を買いました。
    日曜日:初めて教会に行ったり、2歳のお子さんと遊んだりして、充実した週末になりました。
    ②マクドナルドの注文がパネル式。冬なのにニット1枚・素足で歩く人もいる。トラム(路面電車)の中でも、携帯電話をマナーモードにしない。トラムとバスの違いがあまり無い。

  7. ①メルボルンの有名な観光名所に行きました。
    ②ルナパーク(遊園地)のジェットコースターがとても面白かったこと。

  8. ①大きいショッピングモールとメルボルン水族館に行きました。
    ②冬なのにたくさん夏服がたくさん売っていたこと。家の中でも寒いこと。

  9. ①動物園など、車でいろいろな場所に連れて行ってもらいました。
    ②土地を広々と使っていること。

  10. ①水族館に行ったり、買い物をしたりしました。
    ②よく電話をしている人がいること。

  11.  

    ①BBQをしました。
    ②料理の味付けが濃いこと。

  12.  

    ①ルナパーク(遊園地)、ビーチ、DFOショッピングセンターなどに連れて行ってもらいました。朝、ビーチで犬の散歩をした時に買ってもらったベーグルが美味しかったです。
    ②物価が高い。セール商品も多いけれど、元値が高いので日本と同じ感覚で買うのは危ない。

  13.  

    ①土曜日:ホストファミリーの娘さんの家に行って、子どもたちとクッキーを作りました。
    日曜日:午前中はゴロゴロして、午後は先輩のホストファミリーと一緒に遊びに行きました。
    ②セブンイレブンが日本より多いこと。

  14.  

    ①ホストファミリーとテニスに行きました。それと、お土産を買いに行きました。
    ②国籍が様々であること。自転車通勤が多いこと。

  15.  

    ①ホストファミリーのいとこと一緒にバスケットボールの試合を見ました。また、動物園や俳優養成学校に行きました。
    ②たくさんの国の人がいたこと。周りの人が優しくて家まで送ってくれたこと。動きや行動が大きく大胆だったこと。

  16.  

    ①買い物をしたり、カンガルーを見に行ったり、バースデーパーティーに参加したりしました。オリンピックも見ました。
    ②電車の中で遠慮なく電話に出ること。

  17.  

    ①土曜日:ホストマザーの誕生日パーティーがあり、総勢7人で食事をしました。
    日曜日:空手大会に行きました。
    ②近所に住む女の子が白雪姫のコスプレをしていたこと。

  18.  

    ①土曜日:公園に行きました。
    日曜日:メルボルン観光をしました。
    ②ホームステイ先が中国人であるため、英語より中国語の方が耳にする機会が多いこと。馬車があること。

  19.  

    ①オリンピックをテレビで見たり、公園に行ったりしました。
    ②ベジマイト。「妖怪ウォッチ」がテレビで放送されていたこと。寒いこと。

  20.  

    ①土曜日:動物園に行きました。その後、教会に行き、そこで仲良くなった人とタイ料理を食べに行きました。
    日曜日:オープンキャンパスに行きました。
    ②日本人より大雑把に感じる。

  21.  

    ①メルボルン動物園に行きました。
    ②路上駐車が多いこと。お風呂と洗面台がつながっていること。

  22.  

    ①海へ行ってたくさんのボートを見たり、スーパーへ行って買い物をしたりした。また、ホストファミリーの9歳の女の子と折り紙をしたり、腕相撲、まくら投げをしたりして遊びました。
    ②ポケットティッシュの形がおもしろいこと。家に暖房がないけれど、みんな薄着であること。(冬の)海でもみんな半袖・短パン・ノーソックス!

  23.  

    ①土曜日:バスケットボールの試合に行き、試合に参加させてもらいました。
    日曜日:教会に行きました。
    ②家に暖房が見あたらないこと。

  24.  

    ①土曜日:1人で動物園に行ってきました。
    日曜日:市内を観光して、昼食を食べに行きました。
    ②(街中に)芸者さんがいっぱいいたり、掃除をする車が走っていること。

  25.  

    ①海に行ったり、たくさん買い物をしたりしました。
    ②食事の量が多いこと。寒いこと。

7日目(2016/08/08)

週が明け、2日ぶりの登校となりました。たった2日でも、ホームステイ先で日本語を使わずに過ごした時間はとても長く感じたようです。多民族国家として様々な国籍の人々が暮らしているメルボルン。土地の広大さや物価の違いに驚いた生徒も多くいました。日本との違いを改めて体感する2日間となったようです。

生徒たちの中にはホストファミリーとのコミュニケーションに苦戦した人もいました。中には、「〜したらどう?」というところを「〜しなさい。」と捉えていたケースも。普段の授業では「would」や「should」の使い分けを気をつけていても、対話となると、助動詞の重要性を疎かにしてしまう。実際の場でコミュニケーションをとったからこその問題だと感じました。こうした部分を一つ一つ丁寧に解きほぐし、どうすればお互いに良い方向に向かっていけるのかは、ホームステイの中でとても重要なことです。生徒たちが社会人になる頃には、更に国際化が進むことと思います。そうした時に、「そういえば、ホームステイでこんなことがあったな。」と思い出して欲しいと感じました。

午前中の授業はオーストラリアの動物について。カンガルーやコアラだけでなく、ワライカワセミやディンゴなど珍しい動物も登場しました。どんな姿をしているのか、どのような生態なのかを学びました。昼食後はメルボルン市内を散策。観光名所となっているロイヤルアーケードやウオールアート、映像作品を展示しているACMIなどを見て回りました。「世界で最も住みやすい都市」に4年連続で1位に選ばれているメルボルン。昔ながらの伝統的な建造物と近代的な都市景観とが同居した、とても美しい街並みでした。

<7日目のスケジュール>
 9:00 登校
 9:30 英語レッスン
11:30 昼食
12:30 アクティビティ④ Melbourne Icon Tour
14:30 解散

8日目(2016/08/09)

本日はヴィクトリア大学のレッスン最終日でした。午後の「さよならパーティー」でのスピーチに向けて、生徒たちはホームステイ先で準備してきたようです。

午前中の授業は、1つのクラスではパーティーでのスピーチ原稿を書き上げ、クラス内でお互いに披露し合いました。披露後は、先生にアドバイスをもらい本番に備えます。もう一方のクラスでは、日本とオーストラリアの教育システムの違いを学びました。昼食後の授業は、オーストラリアの言葉探しや英語での質問の仕方や答え方について。レッスン後は、パーティーまでの間にホストファミリーに向けた「サンキュー・カード」(お礼状)を仕上げました。

そして、待ちにまった「さよならパーティー」です。パーティーのためにヴィクトリア大学に駆けつけたホストファミリーもいました。ヴィクトリア大学チーフのダイアン先生から4日間のレッスン課程の修了証が授与され、生徒たちは一人ずつ「ホームステイやレッスンからの学び」、「ホストファミリーや先生への感謝」などをテーマに、英語でスピーチしました。最後に、生徒全員で『翼をください』を合唱。お世話になったメルボルンの方々に向けて感謝の意を伝えました。4日間の学習の成果や生徒達の協調性が存分に発揮されたパーティーとなりました。

<8日目のスケジュール>
 9:00 登校
 9:30 英語レッスン
11:30 昼食
12:30 英語レッスン
13:30 サンキュー・カードの仕上げ
14:30 さよならパーティー
15:30 解散

9日目(2016/08/10)

メルボルンでの研修も今日で終了。午後からはいよいよ姉妹校であるSt Paul’s ANGLICAN GRAMMAR SCHOOLに向かいます。

今朝は通勤前の時間を使い、ホストファミリーの皆さんが学校まで見送りに来てくださいました。最後のお別れの時には「やっぱり、一緒に家に帰ろうかい?」なんてジョークも飛んでいました。中には、授業の中で準備をした「サンキュー・カード」を愛おしそうに眺めてくれるファミリーや、「またいつでも会いに来てね。」と声をかけてくれるファミリーも。またいつか、メルボルンの街に来て成長した姿を見せたいですね。

大学を出発した後は、バスで市内を巡りました。まずは、80年以上の歳月をかけて造られた聖パトリック大聖堂へ。オーストラリア最大のゴシック建築は、外観だけでも見応えがあります。堂内のステンドグラスは、思わず見とれてしまうほどの美しさでした。続いて向かったのは庭園全体がイギリス国旗のユニオン・ジャックに見立ててあるフィッツロイ庭園。広大な園内には、イギリスの海洋探検家キャプテン・クックの家もあります。最後に、セントキルダ海岸へ。真冬の海には冷たい風が吹いていましたが、晴天に恵まれた今日は目の前に一面の青い空と青い海が広がり、生徒たちはとても楽しそうに過ごしていました。

昼食後は一路ワラガルへ。バスから見える景色が徐々に変わっていき、平屋建ての大きな家屋や牧場などが目立ち始めた頃、姉妹校であるSt Paul’s ANGLICAN GRAMMAR SCHOOLに到着しました。到着を出迎えてくれたのは7年生(日本の中学1年生)の生徒さんたち。「日出のみなさん ようこそ!」と書かれた紙を掲げ、大きな声で「こんにちは!」と挨拶をしてくれました。学校の敷地はとても広く、生徒たちからは「学校広すぎ!」という声も。

迎えに来てくれたホストファミリーと合流し、生徒たちは2軒目のホームステイ先へと帰宅していきました。明日からは、ホストファミリーの生徒さんと一緒に、オーストラリアの学校の授業に参加します。

<9日目のスケジュール>
 7:30〜登校(ホストファミリーとお別れ)
 9:00 ヴィクトリア大学出発
      メルボルン観光(St Patrick’s Cathedral・FITZROY GARDENS・
      St Kilda Beach)
11:45 昼食(South Melbourne Market)
14:30 St Paul’s ANGLICAN GRAMMAR SCHOOL着
      ガイダンス
15:10 ホームステイ先へ

10日目(2016/08/11)

一夜明け、生徒たちはセントポールズのホストブラザー・シスターたちと登校してきました。ワラガルはメルボルンよりも気温が低いため、体調を崩す生徒が出るのではと心配していましたが、ホストファミリーがヒーターを準備するなどして気遣ってくれていたようです。昨晩はテレビを観たりお喋りをしたりしてホストファミリーと過ごしていたとのこと。中には、下校の後でもう一度学校に戻り、小学生にバスケットボールを教えていた生徒もいました。
1時間目は、ホストブラザー・シスターたちのいるクラスの授業に参加。英語(日本でいう「国語」)やパソコンのプログラミングなど内容は様々。「何を言っているかよく分からなかった。」という声も聞こえましたが、先日まで日出学園に来てホームステイしていたセントポールズの生徒さんも同じ気持ちだったかもしれませんね。

セントポールズでは木曜日が特別時間割になっており、集会などが行われています。今日は10年生・11年生(高校1・2年生)の学年集会に参加し、セントポールズの学生さんたちに挨拶をさせていただきました。また、渥美先生からも日出学園とセントポールズが姉妹校となって10年近く経っていること、グローバル化が叫ばれる現代、お互いに良い機会としていきましょうというスピーチをさせていただきました。その後は、現在催されている「Art Week」を見学。学生の皆さんによるファッションショーや影像作品の完成度の高さに驚かされました。

後半は小学校校舎に移動し、3つの授業に参加をしました。小学校から日本語を学ぶ生徒の多いセントポールズでは、「こんにちは!」という声をよくかけられます。日出学園の生徒が「こんにちは」と返すと、自分の日本語が通じたのが嬉しいのか、ニコッと笑う子供たちがたくさんいました。

6年生の授業では、オーストラリアの文化を紹介してくれました。ユーカリの葉や伝統的な楽器などを実際に手に取らせていただきました。ゲームの後は、「セントポールズ・カフェ」と称し、児童の皆さんがオーストラリアで有名なベジマイトやラミントン、ティムタムなどをふるまってくれました。お返しに、少しだけ日出の生徒もお手伝い。

5年生の授業では、日本語を勉強している児童の皆さんから日出の生徒がインタビューを受けました。たどたどしくも一生懸命質問を重ねてくれる児童の皆さんを見て、日出の生徒たちは自然とお兄さんお姉さんの顔になっていました。その後はチームに分かれてポップコーンつかみ競争。児童の皆さんはお箸の使い方も上手でした。

最後は3年生の授業に参加。「今日の天気はなんですか?」とリズムに合わせて天気の答え方を勉強中。一緒にゲームを行ったのち、最後は筆ペンを使って児童の皆さんの名前をカタカナで書いてあげました。

驚いたのは、セントポールズにおける児童・生徒の皆さんの日本語の上手さです。臆せずに言葉を重ねられる積極性があるからこそ、上達も早いのかもしれません。学校全体がもつ温かさを感じる1日となりました。

<10日目のスケジュール>
 8:55 始業
      各自、ホストブラザー・シスターと一緒に1時限目の授業に参加
 9:40 10年生・11年生の学年集会に参加
10:30 Art Weekの集会(Art Assembly)
11:40 6年生・5年生の授業に参加
13:05 昼食
14:20 3年生の授業に参加
15:30 下校

11日目(2016/08/12)

セントポールズでの授業2日目。1時間目は、8年生(中学2年生)の授業に参加しました。まずは、名刺を作ってお互いに自己紹介。クラスを担当する先生が用意してくれた音楽は、なんとAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」!音楽が止まる度に、英語と日本語を交互に使って名刺交換をしました。その後は、日出の生徒たちは「恋するフォーチュンクッキー」の振りを、セントポールズの生徒たちは「マカレナ」の振りを見せ合い、お互い見よう見まねで踊りました。シャイな男子たちが後ろで気恥ずかしそうにしているのは、万国共通のようです。

10年生(高校1年生)の授業では、日本語を学ぶ授業に参加。様々な観光地を日本語で紹介する授業を行っているそうで、日出の生徒たちはその原稿作りをお手伝いしました。英語で準備した原稿をきちんと日本語に直せているかをチェックしましたが、セントポールズの学生たちから「◯◯ってどう訳すの?」という質問に、慌てて辞書を開く姿も見られました。「しかし」「だから」などの接続詞や、「は」「が」などの助詞がきちんと使えているかを確認するのは、国語力も問われるため、いい刺激になったようです。

その後は1年生(小学1年生)の授業に参加。「私の名前は〇〇です。7歳です。私の好きな色はピンクです。私はお寿司を食べます。私はコーラを飲みます。私のペットはネコです。」などの自己紹介を微笑ましく見守っていましたが、自分たちの立場に置き換えると、小学校1年生の時点で先生からの「座ってください。聞いてください。」という指示を英語で理解し、尚且つ英語で自己紹介ができているということ。そのことに気がつくと、生徒たちはとても驚いていました。

2年生(小学2年生)とは、オーストラリアでも人気キャラクター「ピカチュウ」を折り紙で作りました。先生の説明は英語のみ。ペアになった児童たちのために格好悪いところを見せないよう、日出の生徒たちは「これであってる?」「大丈夫だよね?」などと必死になっていました。

午後は11年生・12年生(高校2・3年生)の授業に参加。高学年になると、学習の内容も高度になります。11年生は観光について、12年生は食文化について学習中。生活習慣病や魚の乱獲について調べている12年生からは、「日本で朝食を摂らない人が多いのはなぜか。」「日本ではコンビニやファーストフードをどのように利用しているのか。」などの質問を受けました。すぐには答えを返せないものが多く、日出の生徒たちは日本語と英語、さらにはボディランゲージを混ぜながら、一生懸命質問に答えていました。

週末は、セントポールズのホストファミリーたちと過ごします。カンガルーやペンギンを見に行く家族もいるとのこと。日本への帰途につく前に是非、オーストラリアの大自然を満喫してきてください。

<11日目のスケジュール>
 8:55 始業
 9:10 8年生・10年生の授業に参加
11:00 1年生・2年生の授業に参加
13:30 昼食
13:50 11年生・12年生の授業に参加
15:30 下校

12・13日目(2016/08/13-14)

オーストラリア研修12日目・13日目は週末のため、学校はお休み。ホストファミリーと一緒に週末を過ごしました。

14・15日目(2016/08/15-16)

オーストラリア最終日。大きなスーツケースを持って、生徒たちがホストファミリーと一緒に登校してきました。週末はメルボルン市内に行ってフットボールの試合を観戦したり、フィリップ島に行ってフェアリーペンギンのパレードを見に行ったりしていたそうです。中には、共通の話題にと「ポケモンGo」をダウンロードして散歩をした生徒も。出会った当初はお互いぎこちなかった生徒たちですが、2日間一緒に過ごす中ですっかり打ち解けた様子。「またオーストラリアに来るよ!」と笑いかける生徒もいれば、「日本に来たときは言って。今度はこっちが案内するからさ。」と約束する生徒も。「また会おうね」と涙をぬぐう姿も見られました。セントポールズの皆さん、本当にお世話になりました!

オーストラリアを去る前に、戦争慰霊館「Shrine of Remembrance」へ。第一次世界大戦の戦没者2万人を慰霊するために建てられた施設です。高台にあるこの施設からはオーストラリア先住民、アボリジニーのリーダーWILLIAM BARAKの肖像画を描いたビルが見えます。今日、8月15日は日本の終戦記念日でもあります。少しの間ですが、歴史について考える時間となりました。

昼食後は、いよいよ日本に向けて出発。国内線・国際線を乗り継いでの長旅となりました。日本に台風が接近しているということで心配していましたが、スムーズなフライトとで安心しました。日本に到着したのが早朝の5:30。朝とはいえ、やはり湿気の多い日本。あまりのむし暑さに、着いた瞬間から「オーストラリアに帰りたい!」と嘆く生徒たちでした。

最後は羽田空港での解団式。早い時間にも関わらず、ご家族の皆さんが大勢迎えに来てくださっていました(この時間に着くためには、朝4時台に家を出られた方が多かったはず。本当にありがとうございました!)。2週間お世話になった添乗員さんには、生徒からの「Thanks Card」を贈らせていただきました。天候にも恵まれ、大きな怪我・事故もなく終了できた今回の研修旅行。縁の下からずっと支えてくださった添乗員さん、本当にありがとうございました。
解団式では、引率の先生方、添乗員さん、団長の5年生からひと言ずつ。皆さんがまだ高校生であること。海外への興味があれば、いつからでも英語の力を伸ばしていける。ただし、伸ばそうと意識しなければ、それらはすぐに無くなってしまうこと。せっかくの機会を与えてくれた様々の人に感謝の気持ちを持ち、これからの生活に繋げてほしいということを話させてもらいました。

この2週間が、参加した25名それぞれにとって、これからの糧となることを願っています!

<14日目・15日目のスケジュール>
 8:55 登校
 9:30 セントポールズ出発
11:00 戦争慰霊館「Shrine of Remembrance」
12:15 昼食・メルボルン市内散策
14:30 メルボルン空港着
16:00 空路にてメルボルンからシドニーへ
17:20 シドニー着・国際線乗り継ぎ
21:00 空路にてシドニーから日本へ
 5:30 羽田空港着
 6:00 解団式

オーストラリア研修旅行を終えて・・・(参加者へのアンケート)

 ①研修旅行に参加しようと思ったのはなぜですか?
 ②オーストラリアに来て、得たことを教えてください。また、この研修旅行で学んだことを今後どう活かせそうですか?

  1. ①英語を好きになるきっかけが欲しかったからです。
    ②会話力、わからないことはしっかり聞いた方がいいということ、いろんな人の意見を取り入れること。

  2.  

    ①そもそも学校行事に参加することが好きなのと、メルボルンに行ってみたかったからです。
    ②日本との文化の違いです。また、オーストラリアの方言を学べました。

  3.  

    ①セントポールズの生徒に会いたかったのと、外国に行きたかったからです。
    ②うじうじせずにYes,Noをはっきりと言うということと、間違いを恐れずに取り組むことが大事ということです。

  4.  

    ①私は将来、グランドスタッフか教師になりたくて、どちらの職を目標にするにしろ、英語は不可欠だから、夢に少しでも近づくために研修旅行に参加しました。
    ②私はオーストラリアに来てコミュニケーションの大切さを学びました。日本語が使えなくて、英語で自分の気持ちを伝えることはとても難しかったです。今後は人見知りを克服してたくさんの人とコミュニケーションをとっていきたいです。

  5.  

    ①日本にいると英語で話してと言われてもどう話していいかよくわからないし、周りの人に日本語で聞いてしまうから、海外に来たらどうなるかなと思ったからです。あとは好奇心です。
    ②得たことはリスニングと語彙力の大切さです。私は今回学んだことを今後の英語の勉強の仕方や大学や職業選択に活かしたいと思います。

  6.  

    ①外国の生活様式や料理など異文化に触れてみたい、実際体験してみたいと思ったからです。
    ②オーストラリアに来て、異文化に触れて、外国について、もっと勉強したいという風に思うことができました。将来英語に関係した仕事に就きたいと思いました。

  7.  

    ①短期だったけど留学というものに興味があったから。
    ②普段のコミュニケーションが日本語でどれだけ成り立っているかわかった。英語が好きだということがわかった!会話が伝わる時のうれしさ。もう少し勉強して外国の友達と普通に会話したい。今後は、国の文化の違いをもとに経験を将来の仕事に活かしたい。

  8.  

    ①親に勧められたからです。
    ②自分で考えて行動をするということを自主的にやるようになりました。今まで人任せが多かったけど、日常生活や部活などでも同じように自分から行動することを心がけようと思います。

  9.  

    ①自分はリスニングの点数がいつも悪いので、リスニング能力を高めるためです。
    ②リスニング能力は確実に上がったと思うし、それだけでなく、いろんな文化の違いもいろいろと分かりました。

  10.  

    ①外国の人と交流を持ってみたかったからです。
    ②オーストラリアの文化を学ぶことができました。また英語のリスニングとスピーキングが向上しました。

  11.  

    ①親から「行ってみたら?」と勧められ、自分も「行ってみたい」と思ったからです。
    ②リスニングの充実です。また英語の勉強をしっかりします。そしてもっと英語を話せたらいいと思いました。

  12.  

    ①自分の実力がどこまで通用するのか試したかったからです。また、現地の人と話せてこその英語だし、何より英語が好きだからです。
    ②恥ずかしがらずに自分の意見をはっきり主張できるようになりました。対話力が身につきました。今後は、わからないことをわからないままにしないできちんと最後まで質問したいと思います。

  13.  

    ①大学生や社会人になって旅行をするのはお金も時間もかかるから参加しました。また、学生のうちに2週間、しかもメルボルンの大学と他の高校に行けるのは、日出学園の研修旅行に参加しないとできないと思ったからです。
    ②日本の良さをもっと知った。お味噌汁はとても重要・・・です。また、英語よりも人間関係やオーストラリアの文化を学ぶことができました。

  14.  

    ①自分の英語でのコミュニケーションを確かめようと思ったからです。実際に自分の英語のみで生活した音はなかったので、この際に自分の力で生きようと思いました。
    ②自分の意思をはっきりと伝える力です。外国ではあまり曖昧な返事や「どちらでも良い」が通用しないことが分かりました。これから色々と発言する機会があるので、そこで発揮できるようにしたです。

  15.  

    ①自分から思い立って行動することが苦手なので、自分自身で踏み出す良い機会だと思って決意したのと、「自分だけで英語を話して生活するとどうなるのか」という好奇心から参加したいと思いました。
    ②自分から積極的に動くことや自分の主張をすることの大切さ、オーストラリアの人々が誰に対してもフレンドリーであるところを学びました。

  16.  

    ①英語が好きなので、本物の英語に触れてみたかったからです。
    ②自分から積極的に行動できるようになりました。また、たくさん英語を聞いたので、リスニング力が上がった(らいいな)と思います。リスニングが苦手だったので、これを機に得意になれたらいいと思います。

  17.  

    ①中学生の頃から行きたいと思っていたからです。
    ②文化の違いについて学びました。それぞれの学校の生徒会同士で連絡を密にとって日出祭などで何かできたらいいなと思います。

  18.  

    ①英語の基礎能力向上と今の自分の力がどこまで通じるか知りたかったからです。
    ②言いたい単語が出てこなくてもジェスチャーをすれば意味は通じる。これは全世界で通じるので海外を訪れた時にジェスチャーを含みながら会話をすると言いたいことが伝わると思います。

  19.  

    ①大学生になったら長期留学をしてみたいと思っています。今回は2週間という短い期間ですが、まずは留学を体験してみたかったからです。
    ②2週間のホームステイで、この返しが英語でできたら会話が弾むのに、と思うことがたくさんあり、もっと英語を勉強し、またオーケストラに来たいです。

  20. ①もともと大学生になったら1年ぐらい留学しようと思っています。そうできるようにしたかったからです。また、英語のスピーキングの成績を特に上げたかったからです。
    ②英語が口からすぐに出るようになったことです。将来、留学に行きたいのでその時にこの経験を活かせたらいいです。

  21.  

    ①英語力を伸ばしたかったからです。また母から勧められたからでもあります。
    ②英語を話すことへの抵抗がなくなりました。新しい単語も得ることができました。もし単語を忘れても思い出を忘れていないのでテストとかに活かせそうです。

  22.  

    ①中学に入る頃にこの研修があると知って、英語にとても興味があったし、1人で海外に行くということをしたことがなかったので行ってみたい!と中学の頃から思っていたからです。
    ②実際に会話するスピードの速さに慣れたことです。でも、行っていることは理解できても、自分の言いたいことをあまり言えなくて、ずっと相槌を打つことしかできなかったので、今後はちゃんとした「会話」ができるように、勉強していきたいと思っています。

  23.  

    ①英語を勉強したかったからです。
    ②英語で話すのが楽しくなりました。日本で道などを英語で聞かれた時、英語で教えられると思います。

  24.  

    ①自分の英語力の向上のためです。
    ②日本と外国のいろいろな違いを知ることができました。試験でのリスニング力や英文作成に活かしていきたいです。

  25.  

    ①小さい頃から英会話を習っていて、いつか英語圏で自分の英語力が試してみたかったからです。
    ②まだまだ勉強が足りないということです。自分で身の回りのことをできるようにしなければならないということです。

生徒の皆さんがチャレンジ精神を持って、研修旅行に参加していることがわかりました。
ぜひ、それぞれが学び得たものが今後の人生に活かされるといいですね。