6学年理科探究学習~発表の裏側~
7月12日のひのトピ!「6年生が2年生に授業をしてくれた!!」の記事をご覧頂けたでしょうか。
今回は6年生側の視点でこの活動をご紹介したいと思います。
本校は2024年度「日産財団理科教育助成校」に採択され、これからの時代を生き抜く科学的思考を育成するための体験学習プログラムの開発を進めています。
内容としては、児童自身が調査計画をたて、その調査結果に基づいて問題解決方法を立案し、その方法のプレゼン(発表)を体験していくものとなっています。
今年度はコロナ禍の影響時に、教室に二酸化炭素がたまりやすいことを知っている6年生に「みんなが健康で安心してすごせる教室のレイアウト」として、教室の二酸化炭素量がたまりにくい方法を考案し、プレゼンすることを活動目標としました。
レイアウトする教室は、2~5年生の班で分担しました。
最初は二酸化炭素が減る状況を根拠づけるべく、班ごとに二酸化炭素量の調査計画を立案します。
いきなり野に解き放たれた状況に子ども達も最初は戸惑っている様子でしたが、これまで学んできた理科の知識や実験方法からヒントを探します。
何とか調査計画をたて、何回か先生にやり直しを言われながらも調査方法を具体化させていきました。
ある程度調査結果が出てきたところで、その調査結果に基づいて一度教室のレイアウトを考えます。
しかし、このままだと普段の教室をよく知らない身勝手なレイアウト案になってしまうかもしれないので、それぞれのクラスの担任・副担任の先生に相談にいきます。
この相談という活動は、実験の技能を上げることには繋がらないかもしれませんが、様々な視野をもっている人々と交流することを通じて、独りよがりの調査ではなく、多様な調査視点を見出すことが目的となっています。
班ごとにクラスの先生方にコメントをもらいました。
中には、A4の紙いっぱいに調査方法の指摘を受けた班もありました。
ただ、紙の最後には「大人の本気でもって、ダメ出しさせていただきました。がんばってね!」という担当クラスの先生のメッセージが。
これにはたくさん指摘されてへこたれる以上に、その指摘に応えたいと思う気持ちがわいてきたのではないでしょうか。
一人ひとりの先生が、それぞれの視点で子ども達の相談に応じてくれました。
相談後に、再調査を実施します。
ここを指摘されたから新しい調査をしてみよう、教室に植物を置いてみようか、休み時間の気体の変化を調査した方が良いかも…新たな気づきから調査を進めていきます。
ただ、調査の難しいところは、思ったような結果が出なかった時。
この教室が特殊なのか…自分たちの考え方が間違っていたのか…複雑そうな表情を浮かべている姿も見受けられました。
さらに調査結果が集まったところで、最後にクラスでレイアウト案を発表するためのプレゼン準備にかかります。
しかし、ここでも大きな課題がありました。
「自分たちよりも年下の子にわかるように伝えなければならない」ということです。
そもそも二酸化炭素って知ってるっけ?どの情報を伝えれば良いの?…相手に科学的情報を人に正しく、わかりやすく伝えることに頭を悩ませました。
このように発表は一瞬でしたが、実際、6年生はここまで1カ月以上のの探究活動を経て発表に挑んでいました。
もちろん、発表も調査も上を見ればきりはなく、まだまだ改善が必要なところがあるのは当然です。
ですが、この1つの課題を何度も試行錯誤しながらやりきったという経験を6年生は1つの自信にしてこれからの活動に繋げていってもらいたいと思います。