続・メディアリテラシー講演会
先週金曜日に行われたメディアリテラシー講演会の講師の方に向けて、
お礼のお手紙を書きました。
冒頭の写真は、下村健一氏の著書を抱きかかえて、お手紙を書いている様子です。
みなさんは、「メディアリテラシー」と聞いて、
どんなことを思い浮かべますか。
「インターネットのことかしら。」
「パソコンを使う時の注意点?」
機械のことはよくわからない、自分には関係ない、なんとなく難しそうで苦手……。そんな方もいらっしゃるかもしれません。
メディア(新聞、テレビ、LINE、旧ツイッター、インターネット)などから何か情報を受けとる時に、もしくは友人や家族、同僚や上司などから何か情報を受け取る時に、相手の言っていることが不十分だったり、大げさだったり、正しい情報なのに受け取る時に誤解や勘違いが起きてしまうことって、ありますよね。
そういう間違いを減らすコツ(how to)を体験して学べる機会って本当に少ないのです。
「明日地球が滅亡するらしいよ!」
「〇〇さんと〇〇さんって付き合ってるらしいよ!」
「今から大地震が起きるから、避難しないと!」
「トイレットペーパーが品切れになって買えなくなるって。」
「〇〇動物園からライオンが逃げた!」
「〇〇事件の容疑者は〇〇さんに違いない。怪しい。」
「コロナウイルスは、ぬるま湯を飲めば治るらしい。」
こんな情報に出会った時に、
「それは大変!今すぐ周りの人に知らせなきゃ!」
「逃げなくちゃ!」
「私も〇〇さんのこと好きだったのに…あきらめよう……。」
「そうだ!あの人が犯人に違いない!徹底的に責めよう!」
ではなく、
「まだわからないよね?」
「それは意見・印象じゃない?」
「他の見え方もないかな?」
「隠れているものはないかな?」
こうして「そうかな?」と、一旦止まることができたなら、「想像力のスイッチ」を入れることができたなら、きっと加害者にも被害者にもならずに済むのではないでしょうか。
子どもたちは自分事として、講演会に参加した今この瞬間から実践できる方法を教わったのです。
ですから、子どもたちは本当に夢中になって話を聞いていました。一つとして聞き逃すものか、と鉛筆を走らせていました。それだけ実生活に密接な内容だったのです。
そして、一緒に聞いていた教員や保護者の皆様までもが大変な衝撃を受け、夢中になった講演会でした。そのような講演会を終えて、子どもたちはどんなことを学び、どんな感想を持ったのでしょうか。
2時間の講演会の間、書ききれないほどメモをしたメモ用紙と、下村健一氏からいただいた重要ポイントをまとめた資料を元に書いていきます。
「下村さんの言葉で一番印象に残ったのは、”デマで死んでしまった人がいるかもしれない”です。デマは人を簡単に殺してしまう武器にもなってしまうと思いました。」
「自分の身近な人の言うことほど信じやすい、ということについてです。家の中で家族といろいろ話していて、思い込みが多いと思いました。他の人にも聞いてみよう、窓を広げて別の情報を、という考え方が大切だと分かりました。」
「人里にクマが出た、についてです。確かに、クマにとってはクマ里に人が出た、危険だから襲うしかないというのが分かりました。森を切り開いたのは人間たちなのに、クマからしてみればふざけるな!だと思います。」
「〇でも×でもなく、△にする、です。〇にも×にしてもいけないことに驚き、△にするのは難しいかなとも思いましたが、決めつけずそのままにするだけなので簡単と気づいたからです。」
「初めて聞く情報があったら、”待って、まだわからないよね?”を使おうと思います。そして、自分の中でまだ確定していない情報は友人や知人に流さないようにします。情報は人数ではなく、種類の数で数えます。」
「ぼくはずっと、すぐダメか良いか決められる人(カチカチスイッチ)にあこがれていました。なぜならぼくは”スイスイスイッチだったからです。だけど、下村さんの話を聞いて、”スイスイスイッチ”でいいんだと希望を持てました。」
子どもたちは、講演会直後から多大なる影響を受け、家で家族に話したり、下村健一氏についてインターネットで調べたり、本を読みたくて探したり、家での兄弟げんかで「まだわからないよね?」をつかって無事解決したり……
早速「情報に振り回されないための4つのおまじない」を実践しているようでした。
私が、教科書内容の教材研究として関連図書を読み漁っているときに出合った「10代からの情報キャッチボール入門」「窓を広げて考えよう」という下村健一氏の著書に受けた衝撃はとても大きかったです。
また、今後もこのような機会を設けて、子どもたちも、教員も、保護者の皆様も、みんなで令和の時代を生き抜くために学び続けられたら……と考えております。
ご参加いただいた保護者の皆様、ありがとうございました。